バイト

今日は客が多かった。
しかしいろんな家庭があることを改めて考える契機となった。
普段からいろんな家を回っていると、ある程度玄関からでもその家の様子が伝わってくる。またそこから出てくる人を見ることで、いろいろ考える。ある家では玄関まで荷物が積んであって、布団とかまでもが出てきていた。「うわっキタネー」と声を出しそうになったら、出てきた人はすごく奇麗な女性(髪はちゃんと梳いてあるし、化粧も過度ではない)であったりして、「今片付け中なんですよ」といってたのでああそうなのかと納得していた。が、後日またその家に行く機会があった。そして行ってみると、あんまり変わってない…そして、また同じようなことを言ってた。
ある家庭は結構豪勢な一軒家にお住まいで、玄関に入ると、居間は直接見えないが、ほんと家族団欒を絵にかいたような感じが伝わってきて、そこにサンタさんの登場を祝ってくれる雰囲気がほんわかと伝わってくる。
その一方とある家庭では、こどもはサンタさんをとても喜んでくれているのに、母親が鬼のような形相で「浮かれるな!この馬鹿。」と、こどもを叱っているところも見た。ああ、きっとこの家庭ではサンタさんがプレゼントを持ってくることなどないのだとう意味合いのことを教えているんだろうな…、なんでサンタの格好なんかしてもってくるんだこのやろう!とでも言わんばかりの機嫌の悪さだった。
サンタとしてこどもが出てきたところでは、こどもをあやして「こんばんは、サンタさんですよ♪プレゼントをもってきましたよ!」とサンタになりきってたんだけど、いろいろな家庭があることを考えると、無責任にそういうことを言わない方がいいようだ、と判断して、以後あっさりしたサンタさんを演じていました。(726文字)